フロントガラスはなぜ割れても飛び散らない?|合わせガラスの構造と修理の判断基準

フロントガラスにヒビが入った車のイラスト 車の豆知識

くるまにあ通信管理人のタケです。

高速を走ってたら、パチッって小さい音がして。「ん?」と思って確認したら、フロントガラスに小さーいヒビが入ってたことがあるんですよ。いわゆる飛び石ってやつです。

うわ、やられた…。

で、そのとき思ったんです。フロントガラスって飛び石が当たってもヒビは入るけど、バリーンって割れ落ちたりしないですよね。サイドガラスは車上荒らしとかでバキッと割られるイメージがあるのに。

実はこれ、フロントガラスとサイドガラスでは使ってるガラスの種類がまったく違うんです。

フロントガラスが割れにくい理由|「合わせガラス」の3層構造

フロントガラスには「合わせガラス」っていう特殊なガラスが使われています。

構造はシンプルで、2枚のガラスの間にPVB(ポリビニルブチラール)という透明な樹脂フィルムを挟んだ3層構造。サンドイッチみたいなものです。

合わせガラスの3層構造の断面図

この中間膜がめっちゃ大事で、飛び石が当たってガラスにヒビが入っても、破片が飛び散らない。膜がガラスをしっかり保持してくれるんです。

もう一つ大事な役割があって、事故で体がフロントガラスにぶつかったとき、中間膜が衝撃を吸収してくれる。ドライバーがガラスを突き破って外に飛び出すのを防いでるんですよ。

日本では1987年から、フロントガラスに合わせガラスを使うことが法律で義務化されています(参考: JAF|自動車のウインドウガラスの種類)。

フロントガラスとサイドガラスの違い|割れ方が全然違う

じゃあサイドガラスはどうなってるかっていうと、こっちは「強化ガラス」です。

強化ガラスは、普通のガラスを約700℃まで加熱してから急速に冷やして作ります。これで普通のガラスの3〜5倍の強度になる。ただし、割れるときはバラバラに砕けます。

フロントガラス(合わせ) サイドガラス(強化)
構造 ガラス+中間膜+ガラスの3層 1枚のガラスを熱処理
割れ方 ヒビは入るが飛び散らない 粉々に砕ける(粒状)
衝撃吸収 あり(中間膜) なし
飛び石対応 ヒビだけで視界確保できる 全面砕けて視界ゼロ

フロントガラスに強化ガラスを使わない理由がこれで、もし強化ガラスだと割れた瞬間に細かい破片が視界を塞ぐし、破片がドライバーの目に入る危険がある。だからフロントは合わせガラス一択なんです。

ちなみになんですがー、サイドガラスの破片が粒状になるのは安全対策。鋭い破片にならないから、割れてもケガしにくいようになってます。

あと、これ僕も動画で見たんですけど、車が水没してドアが開かないとき、ヘッドレストの金属バーをサイドガラスの隙間に差し込んで、てこの原理で割って脱出するっていう方法があるんですよ。強化ガラスだから粉々に砕けて脱出できる。これがもしフロントガラスと同じ合わせガラスだったら、膜で繋がったままで割り抜けない。ガラスの種類が違うことに、こういう場面で意味が出てくるんです。

フロントガラスにヒビが入ったら?|修理と交換の判断基準

フロントガラスの修理をしている整備士

飛び石でヒビが入ったとき、「これ修理で直せるの? それとも交換?」ってなりますよね。

判断基準はざっくりこう。

状態 修理(リペア) 交換
ヒビの大きさ 500円玉より小さい 500円玉以上
位置 ガラスのフチから10cm以上離れてる フチから10cm以内
運転席の視界 影響なし 視界にかかる
費用の目安 1〜2万円 5〜15万円(車種による)
作業時間 30分〜1時間 2〜3時間

大事なのは、ヒビを見つけたらすぐ対処すること。放置すると温度変化や振動でヒビが広がって、修理で済んだものが交換になることがあります(参考: グラススタイル|フロントガラスのヒビと車検)。

僕のときはすぐ修理に持っていって事なきを得たけど、放置してたら交換コースだったかも…。

まとめ

  • フロントガラスは「合わせガラス」:2枚のガラス+中間膜の3層構造。割れても飛び散らない
  • サイドガラスは「強化ガラス」:割れると粒状に砕ける。フロントには使えない
  • 1987年から法律で義務化:フロントガラスは合わせガラスでなければならない
  • ヒビは500円玉サイズが分かれ目:それ以下なら修理(1〜2万円)、以上なら交換(5〜15万円)

ここからはまにあ編!🔍

フロントガラスのこと、もうちょっと深堀りしてみます。知らなくても困らないけど、知ったらちょっとだけ車を見る目が変わるかも。

フロントガラスの歴史|昔の車にはガラスがなかった

フロントガラスなしのクラシックカー

そもそも、20世紀初頭の車にはフロントガラスなんてついてなかったんですよ。風も虫も石も全部モロに受けてた。ゴーグルして走ってた時代です。

フォード・モデルT(1908年〜)あたりで1枚の平面ガラスがつくようになって、そこから「割れても飛び散らないガラスを作れないか」っていう研究が始まります。

合わせガラスの原型を発明したのは、フランスの科学者エドゥアール・ベネディクトゥス。1900年代初頭に実験中にガラスのフラスコを落としたら、中に樹脂が付着してたおかげで割れなかった。そこから着想を得て、1909年に合わせガラスの特許を取得しています(参考: GAZOO|フロントガラスの構造・機能がすごい)。

偶然の発見がきっかけだったのか…。

前半でも触れた1987年の義務化ですが、それ以前は強化ガラスのフロントガラスもあったんです。今の基準からすると考えられないですけどね。

ただのガラスじゃない|UVカット・遮音・アンテナまで入ってる

合わせガラスの中間膜、実は飛散防止以外にもいろんな機能を持たせられるんですよ。

機能 仕組み
UVカット 中間膜が紫外線を99%カット。日焼け防止になる
遮音 遮音タイプの中間膜で、走行中のロードノイズを低減
遮熱(IRカット) 赤外線を反射して、夏の車内温度上昇を抑える
アンテナ内蔵 ラジオやETCのアンテナ線をガラス内に埋め込む車種あり
ヘッドアップディスプレイ対応 情報を投影するために特殊なコーティングを施したタイプ

最近の車のフロントガラスは「ただのガラス」じゃないです。ほーんとにハイテク。だから交換費用が高いのも納得なんですよね。ヘッドアップディスプレイ対応のガラスだと交換に20万円以上かかることもあるそうで。

フロントガラスのヒビ、車検は通る?

飛び石でヒビが入って「車検まで放置しよう…」って考える人、わりといると思います。

運転席の視界を妨げるヒビがあると車検は通りません。検査員が「これは視界に影響する」と判断したらアウトです。

逆に、助手席側の小さなヒビで視界に影響がなければ、通ることもあります。ただしこれは検査員の判断次第なので、ヒビがある状態で車検に持っていくのはギャンブルです。

まーじで、飛び石でヒビが入ったら早めに修理したほうが精神的にも楽ですよ。

それでは、今日もいい道を。

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