くるまにあ通信管理人のタケです。
軽自動車の排気量って660ccって知ってました? これ、ずっと気になってたんですよ。なんで660なの? 500とか700とかキリのいい数字じゃなくて、なんでこんな中途半端な数字なんだろうって。
僕の最初の車、親父のお下がりの三菱ミニカだったんですけど。カセットテープしかついてない、パワーウィンドウもない、窓はガラガラ手回し。高速の合流でアクセルべた踏みしてもぜっっっんぜん速度が上がらなくて。「660ccってこういうことか…」と身をもって知りました。
今回はその660ccという数字に、ちゃんと理由があったという話です。
🔢 660ccの理由|550cc × 1.2 = 660cc
答えはシンプルで、660ccは計算で出た数字です。中途半端どころか、めっちゃ合理的。
1990年に軽自動車の規格が改定されたんですけど、そのとき排気量が550ccから660ccに引き上げられました。背景はこう。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 安全対策の強化 | 衝突安全基準が厳しくなり、ボディを頑丈にする必要があった |
| 車体の重量増 | 頑丈にした分、車が重くなった |
| パワー不足 | 550ccのままだと重くなった車体に対してエンジンが非力に |
で、当時の計算がこう。
- 必要な出力向上:約30%
- うち20%を排気量の増加で確保 → 550cc × 1.2 = 660cc
- 残り10%はエンジン技術の進歩で補う
つまり660って、550の「20%増し」なんです。700にしなかったのは増やしすぎると普通車との差が曖昧になるし、600だと足りない。計算してみるとまーじで合理的な数字だったんですよね。もっとテキトーに決めたのかと思ってた。
📜 軽自動車の排気量の歴史|360cc → 550cc → 660cc
軽自動車の排気量って、実は何回も変わってるんです。
| 年 | 排気量上限 | 全長 | 全幅 | なぜ変わった? |
|---|---|---|---|---|
| 1949年 | 150cc※ | 2.8m | 1.0m | 軽自動車規格の誕生 |
| 1955年 | 360cc | 3.0m | 1.3m | 2/4サイクルの区分を統一。スバル360やホンダN360が生まれた時代 |
| 1976年 | 550cc | 3.2m | 1.4m | 排ガス規制への対応 + 安全性向上 |
| 1990年 | 660cc | 3.3m | 1.4m | 衝突安全基準 → 重量増 → パワー不足 |
| 1998年 | 660cc | 3.4m | 1.48m | 衝突安全性のためサイズ拡大(排気量は据え置き) |
※1949年の初期規格は4サイクル150cc / 2サイクル100ccと方式別に分かれていた
1949年の150ccって、今の原付バイクよりちょっと大きいくらい。そこから77年かけて660ccまで育ってきたわけです。
ちなみになんですがー、1976年の規格改定のときに黄色いナンバープレートが導入されました。それまでは軽も白ナンバーだったんですよ。
💰 軽自動車が安い理由|維持費で年間8万円の差
660ccという小さなエンジンに制限されてる代わりに、軽自動車には税金面の優遇がついてます。これがでかい。
| 項目 | 軽自動車 | 普通車(1.0〜1.5L) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 自動車税(年額) | 10,800円 | 30,500円 | 約19,700円 |
| 重量税(年額換算) | 約3,300円 | 約12,300円 | 約9,000円 |
| 任意保険料(年額) | 約50,000円 | 約72,000円 | 約22,000円 |
| 車検費用(年額換算) | 約21,000円 | 約24,000円 | 約3,000円 |
自動車税だけで約2万円、任意保険や車検まで含めると年間約8万円の差になります。
僕がミニカに乗ってた頃は税金のことなんて全然考えてなかったけど、今思うと親父がお下がりにくれたのは維持費のことも考えてくれてたんだろうなって。ありがとう親父。当時は文句しか言ってなかったけど。
📝 まとめ
- 660ccの理由:550cc × 1.2(20%増)= 660cc。安全対策で重くなった分を補うため
- 排気量の歴史:150cc → 360cc → 550cc → 660ccと、安全・環境基準に合わせて拡大してきた
- 維持費の差:軽と普通車で年間約8万円。排気量を制限する代わりに税金が安い
- 660ccは「中途半端」じゃなくて、計算と制度設計の結果だった
まにあ編

660ccの裏側、もうちょっと掘っていきます。
⚡ 軽自動車の64馬力自主規制|660ccターボの上限
660ccのエンジンにターボをつけると、かなりパワーが出ます。で、その上限として存在してるのが64馬力の自主規制。
これ、法律じゃなくて業界の自主ルールなんです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| きっかけ | 1987年、スズキ「アルトワークス」が550ccターボで64馬力を達成 |
| 背景 | 馬力競争の過熱 → 交通事故死者数が1万人超え(第二次交通戦争) |
| 内容 | 軽自動車の最高出力を64PSに制限(自動車工業会の自主規制) |
| 普通車の280馬力規制 | 2004年に撤廃済み |
| 軽の64馬力規制 | 現在も継続中 |
普通車の280馬力規制は撤廃されたのに、軽の64馬力規制はまだ続いてる。なぜかというと、軽自動車は日本独自の規格で海外メーカーとの競争がないから、「撤廃しないと不公平」という圧力が働かないんです。
ちなみになんですがー、馬力を上げすぎると「もう普通車でいいじゃん」ってなって、軽自動車の税制優遇の根拠が揺らぐという政治的な問題もあるらしい。まあまあ複雑な話です。
馬力の話をもっと詳しく知りたい人は「「馬力」ってそもそも何?車好きなら知っておきたい単位の話」もどうぞ。
🌏 軽自動車は日本だけ|660cc規格はガラパゴス?
実はこれ、意外と知られてないんですけど。軽自動車という規格があるのは世界で日本だけです。
「ボディサイズとエンジン排気量を制限する代わりに、税金を安くする」っていう仕組み自体が日本独自のもの。ヨーロッパにはCO2排出量ベースの税制があるけど、排気量で区切るルールはない。アメリカに至っては安全基準の壁があって、軽自動車はそもそも公道を走れない州もある。
ほーんとに日本だけの制度なんですよ。
ただ面白いことに、最近アメリカで日本の軽トラが人気になってるんです。農場や私有地で使う人が増えてて、輸出台数は5年間で3倍。年間約7,500台がアメリカに渡ってる。まさかの逆輸出。
で、ガラパゴスなのに国内ではめちゃくちゃ売れてるっていう。日本の新車販売の約36%が軽自動車。3台に1台以上が軽。N-BOX、スペーシア、タントあたりのスーパーハイトワゴンが特に売れてて、軽の中でも半分以上を占めてます。660ccの小さなエンジンで走る車が、日本の道路を一番たくさん走ってるんです。
🔮 軽自動車のEV化と660cc規格の未来
最後に、ちょっと先の話を。
電気自動車(EV)にはエンジンがないから、排気量という概念がない。じゃあ軽のEVって何を基準に「軽自動車」と呼んでるかというと、ボディサイズだけ。
日産サクラもスズキeエブリイも、全長3.4m以下・全幅1.48m以下というサイズの規格を満たしてるから軽自動車。排気量は関係ない。
ということは、EVが増えていくと「660cc」という数字自体の意味が薄れていく可能性がある。軽自動車の定義が「小さい排気量の車」から「小さいサイズの車」に完全にシフトする日が来るかもしれません。
eエブリイについては「スズキ「eエブリイ」発売!軽バン初のEV、でも僕はガソリン派です」でも書いたので、気になる人はぜひ。
ちなみに、1998年の規格改定からもう28年経ってます。安全装備の義務化で車はどんどん重くなってるのに、排気量は660ccのまま。「そろそろ上げてもいいんじゃない?」って声はあるけど、排気量を上げたら税金も上がるかもしれない。メーカーもユーザーも、そこには慎重なんですよね。
660ccという数字が変わるのか、それともEV化で排気量規格自体がなくなるのか。どっちが先かわからないけど、軽自動車という仕組み自体は日本の生活に深く根付いてるから、簡単にはなくならない気がしてます。
今回の参考情報はこちら。
- CARPRIME「軽自動車は何故660ccという排気量なのか?」
- 埼玉県軽自動車協会「軽自動車の規格と変遷」
- 全国軽自動車協会連合会「軽自動車の規格」
- ベストカー「軽馬力規制がいまだ撤廃されない深い事情」
それでは、今日もいい道を。

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